KG+ SELECT 2024

A10

サンティアゴ・エスコバル・ハラミージョ

Santiago Escobar-Jaramillo

The Fish Dies By Its Mouth / El pez muere por la boca

《The Fish Dies by Its Mouth》は、違法な⿇薬取引と漁業を背景に、人間の強靭性に光を当てる作品である。海岸線は海(あるいは川)と⼤陸(あるいは本⼟)を結びつける場所であり、水と陸の両方を生活の場とする人々が暮らしている。そのコミュニティでは、⾳楽やダンス、髪型やゲーム、祝祭など、様々な伝統が長きにわたって受け継がれている。また、農業や食文化、観光、ホエール・ウォッチングや⾃然も今や伝統の一部となっている。この地の平和な暮らしの中には、民兵組織や暴⼒、そして⿇薬取引が深く浸透している。
⿇薬密売⼈たちは、薬物を海路で輸送するために、海岸部へのアクセスを必要としている。麻薬を積んだ高速船は、しばしばコロンビア海軍や沿岸警備隊の追跡を受ける。その追跡を振り切るには、積荷を海に投げ捨てて船を軽くすることが必要になる。コロンビアの港町に暮らす漁師の中には、富の誘惑に負け、昔ながらの静かな⽣活を捨てて、海上の麻薬を回収することで財を築き、2階建ての家を持つ夢を実現した者もいる。しかし、無法者たちに取り囲まれてもその圧力に屈することなく、踏みとどまる者もいる。
《The Fish Dies by Its Mouth》は、このコミュニティの人々が作品制作に積極的に参加した、参加型かつ地域介⼊型のプロジェクトである。伝統(平和な暮らし)と暴力的な圧⼒(民兵組織や⿇薬密売人)とのコントラストが、様々なアクションや風景、⾝体、事物によって表現されている。⽇常の⽣活とつくられたシーンとが交錯する。ここでは、演技としての行為と揺れ動く現実とが混淆し、海と陸、合法と違法の曖昧な境界線の歌を響かせている。

堀川御池ギャラリー

〒604-0052 京都府京都市中京区押油小路町 油小路通御池押油小路町238―1

地下鉄東西線「二条城前」駅2番出口から徒歩3分

Open: 4.13 Sun.–5.12 Sun.
11:00–18:30(最終入場|Last entry 18:00)
Closed: Mon.

11:00 - 18:30

入場無料

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