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内倉真一郎
Shinichiro Uchikura
忘却の海
私は宮崎県に住み制作をしている。 どこを見渡しても海に囲まれた町だ。 行政やボランティアの清掃の手が行き渡った海水浴場には、美しいビーチが続く。 しかしそこから少し離れた海は、正反対の世界が広がっている。 漂着物や不法投棄物が打ち棄てられて忘れ去られ、 誰も立ち入ることさえなくなった、現代社会のありのままの海辺の姿。
ゴミと化した色鮮やかさが虚しいプラスチック、手袋、おもちゃ、魚や鳥などの死骸。 遠く離れた場所から時間の波にもまれ、太陽光で干からび新たな姿に変容していくものたち。 現世のものとは思えぬ異様な感覚をも想起させる、人間がかつて関わっていた痕跡。
私は夢中に、下ばかり見ながら、一つ一つの残骸を集める。打ち捨てられた物達は僕に語りかけるように感じる。誰かが作り、誰かの手元にあり、波と共に砂浜へ。そして私と出会う。このシリーズは、その最後の有りようを記録したラストポートレートだ。
ギャラリーニュートラル
京都府京都市上京区皀莢町287 堀川新文化ビルジング 2F
Open: 5/2-5/21 10:00-19:00 Open everyday
10:00 - 19:00
入場無料